アレルギー体質は子供に遺伝する?子供のアレルギー疾患の発症を抑えるには?

最近、アレルギー疾患の患者様からこのような質問がありましたのでまとめました。

結論から申し上げるとアレルギー素因(体質)は遺伝します。

その確率は諸説ありますが、両親がアレルギー体質の場合は約8割と言われています。ただし、ここで重要なのは

アレルギー素因の遺伝≠アレルギー疾患の発症

ということです。

正しくは
アレルギー疾患の発症=アレルギー素因の遺伝+生後の環境因子

であり、この方程式が大事なのです。

どうしたらいいの?という声が聞こえてきそうなのでお答え致します。

アレルギーマーチを防げ!

乳幼児期に発症するアトピー性皮膚炎を皮切りに、食物アレルギー→気管支喘息→アレルギー性鼻炎と次々と出現してくることを「アレルギーマーチ」と言います。この「アレルギーマーチ」の発症、進行を予防することが大事なのです。

出だしのアトピー性皮膚炎の発症確率を抑えるには、、、?

「保湿!!1に保湿、2に保湿!!」

保湿を行うとアトピー性皮膚炎の発症を予防できるという直接的データはありませんが、保湿を正しく行うと「乳児湿疹」が予防できるのです。「乳児湿疹」を予防すると「アトピー性皮膚炎」の発症率を抑えるという報告があります。(メカニズムを知りたい方は文字で書くと分かりづらいので受診などの際に院長に聞いてください。)

正しい保湿を心がけよう!!

正しい保湿とは、大人でも同じく大事なことですが、入浴後5分以内に保湿剤を塗るということです。皮膚に湿り気が残っている状態で保湿を行うことで保湿効果がグーンと高まります。5分以内になんて無理という方は、保湿剤を塗る前に化粧水で湿らしてから保湿剤を塗って頂ければOKです。これを行っても治らない乳児湿疹は皮膚科に相談する必要があります。弱いステロイド軟膏等を使いつつ経過をみますが、難治性の湿疹は食物アレルギーとの関連なども疑われるため注意が必要です。

保湿以外にダニ対策も大事な要素ですが長くなったので今回はこの辺で終わりにします。また別の機会に書きますね。