- 2024年8月25日
新型コロナが流行していますが、抗ウィルス薬を投与すべきかどうかの判断はどうするか?
2024年3月をもって抗新型コロナウィルス薬の公費助成が終了しました。以前にもお伝えしたかと思いますが、その抗ウィルス薬は医療保険が効いても非常に高額であり、全員に投与するのは大変困難です。誰に投与を推奨すべきか?について考えたいと思います。
よく講演会や論文等で言われていることは以下の5項目です。
①高齢者65歳から70歳以上
②年齢問わず免疫系の基礎疾患を有している患者
③ステロイドや免疫抑制剤を内服している患者
④最後のワクチンから1年以上間隔が空いている患者
⑤生活習慣病などの基礎疾患が重篤な状態、あるいは複数個を有する患者
これらの1つでも当てはまると要注意。2つ以上は抗ウィルス薬を外来では勧められます。抗ウィルス薬投与の最大の目的は重症化予防です。2つ以上当てはまる方は医師から強く内服を勧められたらなるべく内服されることをお勧めいたします。
また、若いからといって、風邪症状のみで終了しないこともあることは知っておく必要があります。若年者のコロナ感染後で咳が1ヶ月止まらないなどの症状を訴えて当院に相談を頂くことが、ここ最近、非常に増加しています。CTを撮像すると多くはコロナ肺炎やコロナ気管支炎の治癒が遷延している所見が見て取れます(もちろん他者への感染リスクはないレベルまで時間が経過しています。)。患者さんに共通することはワクチン接種をここ最近行っていないことです。10月からコロナワクチン・インフルエンザワクチンの同時接種が開始されます。若年者の方は公的補助がないため(今の所、無いと思われます。)、高額にはなりますが、メリット・デメリットをよく考えて接種する、しないを検討くださいね。しかしながら、少なくとも65歳以上の患者さんは費用負担がかなり軽減される予定ですので積極的にご検討頂きたいと思います。