新型コロナに再感染しやすい人の特徴は?

第5類に移行して感染者数の全数把握義務がなくなりました。今、どのくらい流行しているのか、はっきりとは分かりませんが、徐々に増えてきている印象があると言うのが医師仲間での話し合いをした時の共通の見解です。マスクを外している人が増えてきた、陽気がいいため外出する人が増えたなど様々な要因があると思いますが、一つ興味深いデータが名古屋工業大学の平田教授らによって報告されたのでご紹介致します。

平田教授らは、およそ800万人分の医療機関の診察データから新型コロナに2回以上感染した人の割合などを調べました。初回感染から次の感染までの期間は平均で6.3カ月だったほか、年齢が低くなるにつれて、再感染する割合が高い傾向にあると報告しました。なお、再感染者のうち、10歳未満が全体の40%以上を占めています。

ではなぜ年齢が低いほど再感染率が高いのでしょうか。要因は2つほど考えられます。

・ワクチン接種率が極めて低い。

12歳未満の2回接種率は18.3%、3回接種が完了している割合に至っては8.7%です。

12歳から19歳までは2回が71.7%、3回が45.9%ですから如何に低いかがわかるかと思います。

当院は5歳以上から12歳未満の1回目からのワクチン接種も担当しておりますが、ここ数ヶ月間の希望者は0です。新規でワクチン接種対象年齢になっても接種しないという選択をする保護者が多いようです。

・マスクを外して生活している

集団生活の中でマスクを外している人が増えてきています。大人以上に子供たちはマスクを外して近距離でお友達と接する機会が増えていることが要因の一つです。

この2点が10歳未満が再感染を起こしている主な理由です。保護者としてワクチンを躊躇している気持ちを押し殺してでもワクチン接種をしてくれとは申しません。子を思う親として様々な気持ちがあるのは十分理解出来ます。また、マスクに関しても真夏日では熱中症の問題もあり、状況に応じてマスクの着脱をしなくてはなりません。だからこそ、この2点に当てはまるお子さんをお持ちの保護者の方は十分に感染・再感染に注意して頂きたく思います。

・調子が悪そうなら学校や習い事で無理をさせない。

・十分な休息を取らせる。

・人混みではマスクの着用を無理ない範囲で行う。

上記のような対策をした方がいいでしょう。

新型コロナかも?と少しでも頭をよぎるような症状(発熱、咽頭痛、咳)があれば各医療機関へ電話で診察の予約を入れて受診をする事をご検討ください。

なお、新型コロナだけではなく、感染症一般に言える事ですが、夜間発熱があって朝下がったからと言って一般外来を予約なしに受診することはできません。朝に熱が下がるのは感染症が落ち着いたからではありませんし、『朝に熱が下がる=新型コロナではない』 と言うことでは一切ありません。朝下がるのは細菌感染やウィルス感染の一般的な熱の日内変動にすぎませんのでご注意ください。

受診前日の夜間だけの発熱であっても、当院に限らず、どの医療機関に受診する場合であっても、必ず電話にて予約をするようにお願いします。