知っていて欲しい発熱の定義と日内変動!!

体温が一体何度だと発熱っていうか知っていますか?

外来をしているとよくこんな事をおっしゃる患者さんがいます。

『私平熱が35度台で低いから36.5度もあると熱でぼーっとしてしまうんです。辛くてフラフラします』

これを聞いてどのように思いますか?

実は発熱の定義には平熱は関係ありません。

日本の感染症法では『37.5℃以上を発熱、高熱は38℃以上』と定義しています。

医者なら誰でも知っているハリソン内科学という超絶分厚い教科書には『午前の体温で37.2℃以上、午後の体温で37.7℃以上』と記載があります。

いずれの定義にしても平熱は絡んでこないのです。

そしてさらにで知っていて欲しい知識として『体温は1日の内で変動する』のです。これを『日内変動(にちないへんどう)』と言います。『人の体温は午前中に低くて、午後に高くなるものなのです』。日内変動で約1度変わる事が医学では常識なんです。

こんな経験はありませんか?

『夜38度まで熱が出たけど朝に37度まで下がった。すぐに治ったと思っていたら午後から熱がまた上がり始めた。』

そうなんです。風邪でもそうですし、コロナやインフルでもそうなんですが、熱は午後から夜に向かって出て朝下がるものなんです。日内変動なんです。そして症状が重いと、日内変動が無くなり1日中熱が出続けるものなんです。

快方に向かっているかどうかは夕方から夜の熱が下がっているかどうかで判断して欲しいのです。

ぜひ参考にしてみてくださいね。