日本の小児新型コロナ感染後の主な死因は何か?健常な小児であってもコロナで死亡することはあり得る。

国立感染症研究所などの多施設共同研究チームが、医療記録および死亡診断書から詳細な情報を収集・聞き取りを行い、日本の小児新型コロナ感染後の主な死因や経過などをEmerging Infectious Diseases誌2024年8月号に報告しました。

コロナ発症後に死亡した0~19歳の患者は62例でした。そのうち53例について詳細な調査を行うことが出来ました。53例中46例(87%)は内的死因と判断されました。内的死因とは、コロナによって各臓器に何らかの影響が出ることで死亡したという意味になります。また、基礎疾患のない患者は27例、基礎疾患がある患者は19例でした。基礎疾患がなくとも死亡するリスクがあることは知っておかなくてはなりません。

内的死因患者46例のうち、1歳未満が7例、1~4歳が15例、5~11歳が18例、12~19歳が6例でした。

コロナワクチン接種が可能となる5歳以上は24例ですが、うち21例(88%)がワクチン未接種でした。2回のワクチン接種済みの3例のコロナ発症日は、最後のワクチン接種日から3ヵ月以上経過していました。

主な死因は急性脳症などの中枢神経系異常が16例(35%)、心筋炎など心臓異常が9例(20%)、肺炎などの呼吸器異常が4例(9%)でした。基礎疾患のない患者の死因は中枢神経系異常が11例、次いで心臓異常が5例でした。
なお、入院前の救急外来で死亡と判断されたのは19例、入院後の死亡者数は27例でした。患者の46%は院外心停止で死亡したという恐ろしい状況だったそうです。

発症から死亡するまでの期間ですが、中枢神経系異常を認めた16例では、発症から心肺停止までの中央値は2日、死亡までの中央値は3.5日でした。また、心臓異常を認めた9例では、発症から心肺停止及び死亡までの中央値は共に4日でした。なお、8例が急性心筋炎だった可能性があるとのことでした。

小児の場合、ワクチン接種による薬害を高らかに謳うSNSや記事などが多く、親が心配になり接種を控えさせている例が多いです。しかし、この論文からも分かるとおり、ワクチン未接種ということで死亡に至ってしまうケースがあるという事も知っておかなくてはなりません。

ここ最近、ワクチン未接種者や最終ワクチン接種から1.5年から2年以上空いている人のコロナ重症肺炎の報告が増えてきています。肺炎での入院患者も増えてきています。ワクチンで守られる命があるのです。未接種者の方々も今一度ワクチン接種を検討をしてもいいのでは無いでしょうか。ワクチン未接種者の重症肺炎を一度でも診た事がある医者や看護師はワクチンは接種した方がいいよと口を揃えて言いますよね。SNSなどでワクチン無意味という高らかに医療関係者は本当に重症なコロナ肺炎を診たことがないのだと思います、、、。