アストラゼネカ製新型コロナワクチンの合併症について。

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今週も代診・休診はありません。

今週はアストラゼネカ製ワクチンの血栓のニュースが話題になりましたので共有したいと思います。
約2千万人がアストラゼネカ製ワクチン接種を受け、79人が血栓症を起こし、そのうち19人が死亡しています。血栓症を起こした79人中51人が女性で、3人が30才以下。全てのケースが1回目のワクチン接種後に起こっています。
ワクチン接種での死亡率は約100万接種に1人であり、きわめて低い頻度となります。一方、新型コロナウイルスに感染した場合、75歳以上の約8人に1人が、40歳代の約1000人に1人が死亡するリスクがあり、また新型ウイルス患者の7.8%が肺に血栓を(肺血栓塞栓症)、11.2%が深部静脈血栓症(下肢静脈内の血栓)を起こすとされています。どちらのリスクを取るかという問題となります。車や飛行機に乗るときに事故に遭うかもと気にする人はどれだけいるでしょうか?車で400キロ走った場合、100万人に1人が交通事故で死亡するリスクがあり、飛行機に100万回乗るとおよそ9回死亡事故にあうリスクがあるそうです。

とは言うものの、世界各国でアストラゼネカ製は60歳以上などの高齢者に限定する動きが広がってきています。その理由として、若年者の方が副作用が起きやすいという点とワクチンによって得られるメリットが少ない事にあります。元々、コロナに感染しても重症化率・死亡率が低い若年者はアズトラゼネカワクチン接種によって生じるリスクが、接種によって得られるメリットと拮抗していることからこのような潮流になってきているようです。日本では今後どのような方向になるかの政府発表がなく、動向に注目しましょう。今のところ早期の高齢者向け優先接種で使用されるワクチンはファイザー製が予定されています。

4月9日の県内ベッド状況
重症:18名 中等症:218名 軽症:28名 疑似症:305名
1週間前4/2のベッド状況
重症:21名 中等症:180名 軽症:28名 疑似症:323名

→中等症の患者が増加傾向にあります。引き続き感染者数の推移に注意をしていきましょう。