イスラエルは新型コロナワクチンで感染拡大が防げたのか?

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今週は土曜日は午前院長と柿沼先生の2診体制。午後の外来が柿沼先生になりますので宜しくお願いいたします。

ワクチン接種が先行して進んでいるイスラエルの感染状況を示す図の上に大阪大学の宮坂教授がアレンジを加え、分かりやすくなった図をお示しします。解説を引用しつつ共有したいと思います。イスラエルでは昨年12月中旬から感染者が急増し、昨年末からファイザーワクチンの1回目の接種が始まりましたが感染者が減らず、ロックダウンを導入しても減りませんでした。ところがワクチンの2回目の接種が進みだして約2週間後から感染者の増加が頭打ちとなり、やがて急激に減少し始めました。
 現在、国民のワクチン接種率が約6割ですが、日ごとの新規感染者者数は4月11日は122名。これはピークだった1月20日の10213名の約90分の1です。
イスラエルは人口約900万。人口100万人当たりの感染者数は日本の約23倍、死者数は約9倍。流行している株は、大阪で多いイギリス型の変異株です。しかしワクチン接種が進むにつれて見事に感染者が減り続けています。しかし、感染者はワクチン接種が進んでも一定数出ているということはちゃんと理解しないといけません。
約60%の国民にワクチンが行き渡り、感染が落ち着いてきたとしてもゼロコロナになるのさらに先になります。ワクチン接種が進めば一定数のワクチンを接種していない人にも恩恵があるのは事実ですが、ゼロコロナでない以上は感染するリスクはあるのです。
米国のデーターを見てもそれは明らかです。米国では人口の30%程度にワクチンが行き渡っていますが、感染者が急増している地域があります。データを詳しく見ると接種した患者は明らかに感染・重症化を極めて低く抑えていましたが、感染・重症化した人のほとんどが未接種の人々です。接種が進んできて気が緩み、ワクチン接種者と同様に何故か行動拡大し感染が広がったという解釈になります。つまりワクチンを接種していない人の間では自粛解禁が進むにつれて感染が広がっていくのです。想像に容易いですよね。

4/16の患者者数
重症:22名 中等症:251名 軽症:29名 疑似症:322名
4/9の患者数
重症:18名 中等症:218名 軽症:28名 疑似症:305名