• 2023年5月23日
  • 2023年5月31日

乳幼児・小児喘息について!診断・治療が難しい。風邪をひいた後に咳が長引く子供は要注意!?

小児喘息は診断が難しいのです。大人の診断は適切な検査がなされれば容易に診断が付くことが多いですが(時に難渋します。ごめんなさい。)、小児は本当に難しい。

以下に小児の喘息の診断目安を参考までに記載します。

・24時間続く喘息症状(呼気性喘鳴・咳嗽・呼気延長を伴う呼吸困難など)が年複数回(3回以上)確認される。

・2から3週間続く咳嗽症状

などが認められたら喘息を疑います。

・気管支拡張薬(ネブライザーを使ったメプチンの吸入)の使用による症状改善

・気管支拡張薬を使用しても改善に乏しい場合には長期管理薬(フルタイド+ホクナリンテープやアドエアかフルティフォーム)などを使って効果を確認する。

注意として必要なのは喘息ではないと一度診断されても経過によっては、喘息と診断されることがあるので、疑ったら再度喘息薬を使用して反応を見たり、呼気NO検査や採血によるアレルギーCheck(採血によるアレルギー検査、IgE検査や好酸球数のCheck)を行い喘息かどうかを判断していくことになります。

診断がついたら、治療を行います。治療は大きく分けて2つです。発作時と安定時です。

・発作時

まず、発作時の治療は基本的には短時間作用型気管支拡張剤(メプチン)と全身性ステロイド(小児だとリンデロンシロップなどの内服、成人だとプレドニンが主流)やクラリスロマイシン(抗生剤)を組み合わせて治療を行います。安定時の処方に長時間作用型気管支拡張剤(ホクナリンテープや吸入薬)の使用がなければ、同時に開始されることが多いです。

発作時の治療は子供が辛そうにしているのでほぼ全ての保護者が治療に積極的になります。注意が必要なのは発作が落ち着いて安定期の治療の継続を指示したときです。多くの保護者が安定期の治療を嫌がるのです。

・安定期の治療

安定期の治療を子供に受けさせるには保護者の理解が必要になりますが、本当にこれが難しいのです。症状がないのに続ける必要性があるのか?という質問をほぼ100%の確率でされます。答えとしては喘息と診断された場合は必要です。症状があってもなくても喘息は喘息と回答します。症状がある時だけ治療をすると言った間違った治療を継続すると喘息によって空気の通り道である気管支が傷害され喘息が重症化していくのです。

子供は親が思っている以上に自分の症状を人に伝えられない!という事も理解しておかなければなりません。これは小児を見る医者であれば常に気を付けておく必要がある事です。特に未就学児は親が期待する言葉を敏感に察知して辛くても辛くないと答えてしまう場合もあります。親の判断で薬が中断することがないようにしなければなりません。『親の判断で自己中断する=今の治療に納得がいかない』ということになりますので、自己中断する前にかかりつけ医に相談するようにしてください。

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