- 2025年2月22日
- 2025年4月27日
20年以上の喫煙者の方はCOPDという病気にご注意ください。

我々呼吸器内科医にとってタバコは肺に悪影響を及ぼす最大の敵です。タバコによって引き起こされる最も多い病気は慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気です。COPDは軽症の場合は自覚症状に乏しい事もあり、気づいた時には重症になっていて、酸素が生活に必要といった事も起きうる厄介な病気です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を疑うべき主な症状は以下の通りです。
1. 呼吸器系の症状
- 慢性的な咳(3か月以上続くことが多い)
- 痰が出る(特に朝方に多い)
- 息切れ(呼吸困難)(最初は運動時のみだが、進行すると安静時にも)
- 喘鳴(ぜんめい)や胸の圧迫感(息をするときにヒューヒュー・ゼーゼーという音がする)
2. 日常生活での変化
- 階段を上るのがつらくなる
- 以前よりも活動量が低下する
- 風邪をひくと長引きやすい
3. 重症化の兆候
- 軽い運動でも強い息切れを感じる
- 食欲が低下し、体重が減少する(進行期では筋肉量の低下が見られる)
- 頻繁に気道感染症(肺炎や気管支炎)を起こす
COPDを疑うべきリスク要因
- 喫煙歴(現在喫煙者、または過去に長期間喫煙していた)
- 受動喫煙の機会が多い
- 大気汚染や粉塵、化学物質を吸い込む環境で長年働いていた
- 家族にCOPDの人がいる
COPDは進行性の病気ですが、早期に発見し適切な治療を行うことで進行を遅らせることができます。これらの症状が気になる場合は、早めに呼吸器内科を受診し、胸部CT検査・呼吸機能検査(スパイロメトリー)を受けることをおすすめします。
文責:医療法人社団南州会 理事長 井上哲兵
経歴
- 2003年浅野高校卒業
- 2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業
- 2009年4月~2011年3月同大学病院研修医
- 2011年4月~2015年3月同大学呼吸器内科診療助手兼同大学内科(呼吸器)大学院
- 2015年4月~2018年3月同大学呼吸器内科助教
- 2018年4月~2019年3月独立行政法人国立病院機構静岡医療センター呼吸器内科医長
- 2019年4月医療法人社団南州会理事長/聖マリアンナ医科大学非常勤講師
- 2019年8月三浦メディカルクリニック院長
- 2024年5月横浜フロントクリニック開院
資格・役職
- 医学博士
- 日本内科学会認定内科医
- 日本呼吸器学会呼吸器専門医
- 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
- 日本医師会認定産業医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医
- 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
- 難病法における難病指定医(呼吸器)
- 緩和ケア研修会修了医
- アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医