- 2025年2月22日
20年以上の喫煙者の方はCOPDという病気にご注意ください。

我々呼吸器内科医にとってタバコは肺に悪影響を及ぼす最大の敵です。タバコによって引き起こされる最も多い病気は慢性閉塞性肺疾患(COPD)という病気です。COPDは軽症の場合は自覚症状に乏しい事もあり、気づいた時には重症になっていて、酸素が生活に必要といった事も起きうる厄介な病気です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)を疑うべき主な症状は以下の通りです。
1. 呼吸器系の症状
- 慢性的な咳(3か月以上続くことが多い)
- 痰が出る(特に朝方に多い)
- 息切れ(呼吸困難)(最初は運動時のみだが、進行すると安静時にも)
- 喘鳴(ぜんめい)や胸の圧迫感(息をするときにヒューヒュー・ゼーゼーという音がする)
2. 日常生活での変化
- 階段を上るのがつらくなる
- 以前よりも活動量が低下する
- 風邪をひくと長引きやすい
3. 重症化の兆候
- 軽い運動でも強い息切れを感じる
- 食欲が低下し、体重が減少する(進行期では筋肉量の低下が見られる)
- 頻繁に気道感染症(肺炎や気管支炎)を起こす
COPDを疑うべきリスク要因
- 喫煙歴(現在喫煙者、または過去に長期間喫煙していた)
- 受動喫煙の機会が多い
- 大気汚染や粉塵、化学物質を吸い込む環境で長年働いていた
- 家族にCOPDの人がいる
COPDは進行性の病気ですが、早期に発見し適切な治療を行うことで進行を遅らせることができます。これらの症状が気になる場合は、早めに呼吸器内科を受診し、胸部CT検査・呼吸機能検査(スパイロメトリー)を受けることをおすすめします。