花粉症治療でステロイドの注射(ケナコルト)を絶対に打たないでください。

これは、以前にも記載しましたが、心からのお願いです。絶対にケナコルトは注射しないでください。

花粉症の治療でケナコルトの注射をしているという患者さんが毎年、来院されています。今年も複数名いらしゃいました。

ケナコルトは免疫抑制剤です。確かにアレルギー症状は一時的に良くなるかと思いますが、それ以上に将来的なリスクを背負い込むことになります。これだけは言えます。ケナコルトを薦める医者は貴方の将来なんてこれっぽっちも考えてくれやしていません。絶対にダメです。ケナコルト以外の治療法も沢山あります。当院に受診してくれと言っているのではありません。ケナコルトを薦める医者以外の病院を少なくとも受診してくれと言っているのです。

ケナコルトは接種後3−4週間程度血中濃度が持続します。ケナコルト40mg筋注で、プレドニゾロン15mgを3週間程度内服するのと同等の血中濃度になると言われています。呼吸器内科医である私もプレドニゾロンは喘息やCOPDなど様々な場面で使用しますが、必要最低限の投与量・投与期間を守って処方しています。プレドニゾロン15mg5日間程度の処方に止めることがほとんどです。間質性肺炎やサルコイドーシスなどの難病で長期に連用する場合であってもかなり細かい採血等をおこなって副作用マネージメントを行なっていきます。

私は普段、喘息の抗体製剤の講演を全国の医師に向けて行なっておりますが、その中で大事なポイントは患者さんの将来をキチンと考えて、検査内容・治療内容を決定していくことと説明しています。下記はステロイド内服や注射によって生じうる副作用についてまとめていますのでご確認ください。またそのほかにも、月経が止まったり、排卵ができなくなったりもします。

なお、喘息治療の主流である吸入ステロイドは肺への局所投与のため下のような副作用発現はありません。小児から安全に使える薬ですのでご安心ください。