妊婦と喫煙(副流煙)

妊婦さんの近くでタバコを吸ってはいませんか?または、あまりいないかもしれませんが、妊婦で喫煙している方はいませんか?

周囲で喫煙して副流煙に妊婦さんが曝露されていたりすると、ニコチンの作用で胎児への血管が収縮し血流が悪くなり、十分な酸素や栄養が胎児に行き渡らなくなり、発育・発達が遅れることがわかっています。

早産・低出生体重児のリスクが高くなり、最悪のケースの一つである乳幼児突然死症候群の発生も上昇させます。順調に生まれたとしても、気管支喘息などの呼吸器疾患の合併率が上昇することが指摘されています。また、因果間系が明らかではありませんが、一部の専門家からは将来的に低身長になる可能性も指摘されています。

妊婦さんの周囲で喫煙することは、妊婦さん自身への健康被害は勿論のこと、胎児への影響も甚大であり、絶対に避けなくてはなりません。

このような、話を外来でするとほぼ必ず返ってくる言葉が、「本人の前で吸っていません。」です。

産業医大の大和教授は、「喫煙後に肺内に溜まった有害物質が30分から1時間程度、口から排出され続ける。他の人の前で吸っていなくても、吸い終わった後にすぐに同じ部屋にいれば、副流煙に曝露され続ける事になる。」と指摘しています。

妊婦さんやこれから生まれてくる赤ちゃんのために、禁煙してみませんか?