喫煙は身体的虚弱性(身体的フレイル)を高める。

身体的虚弱性(身体的フレイル)とは、病気ではないけれど、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、健康と要介護の間の虚弱な状態のことです。

タバコを吸うことで身体的虚弱性(身体的フレイル)のリスクが有意に上昇し、受動喫煙が加わるとさらにリスクが高くなることを示すデータが、国立長寿医療研究センター研究所老年学・社会科学研究センター老化疫学研究部の西田裕紀子氏、台中栄民総医院(台湾)の朱為民氏らのによってGeriatrics & Gerontology Internationalに2023年10月26日に報告されました。

愛知県大府市などの住人の540人(平均年齢71.4±4.6歳、男性52.4%)を解析しております。その中には喫煙者・非喫煙者・受動喫煙者が含まれています。

結果は、喫煙者は身体的脆弱性の発症リスクが非喫煙者の2.4倍ほど高い事がわかりました。特に75歳を超えた人たちは有意に脆弱性が高まるとのことでした。また、喫煙者ながらも受動喫煙曝露のない群と、喫煙かつ受動喫煙曝露のある群での脆弱性発症リスクはなんと9倍となりました。

著者らは喫煙と受動喫煙は身体的脆弱性を相加的に高めることが示唆されたと結論づけています。

70歳を超えてもなお喫煙している方は、将来も今と変わらない身体能力でいることは困難なのです。非喫煙者の人よりも何倍も寝たきりになるリスクが高まってしまいます。新年になった今、禁煙にTryしてみませんか?