One Time TreatmentとLife Time Treatment。病気による人生の諦めをゼロにしたい。

みなさま、本日はクリスマスイブです。いかがお過ごしでしょうか。

本年も大変お世話になりました。

毎年4000人以上もの患者様が新規に当院を受診され、今ではID発行患者数は17000人を超えるまでになりました。三浦市の人口の40%以上に相当する数字となります。本当に有り難い限りです。来年も日々精進し誠心誠意、診療に取り組んで参ります。引き続き当院を宜しくお願い致します。

今年最後の記事ということで、当院の心構えを改めてお伝えして終えようかなと思います。

題名にありますOne Time Treatment(ワンタイムトリートメント)とは直訳すると『1回の治療』、Life Time Treatment(ライフタイムトリートメント)は『生涯治療』となります。

肺の病気は慢性疾患と言って、長く付き合っていかなくてはならない病気がほとんどです。例えば、喘息、COPD(タバコの吸いすぎで起きる病気)、間質性肺炎、肺癌、気管支拡張症などです。

もう少し具体的に見てみましょう。

喘息はご存知の通り治る病気ではありません。一生に渡って付き合っていく病気です。以前にも記事にしましたが、喘息の治療目標は2つです。

1:現在の症状コントロール

2:将来の重症化予防

先ほどの話と合わせると、One Time Treatmentは1であり、Life Time Treatmentは2に相当するのです。

1も2もどちらも大事ですが、私は特に2に重きを置いています。現在の症状が落ち着いたからもういいよではなく、その患者様の必ず訪れる将来を想像しながら治療選択をしていく事が何よりも大切なのです。確かに辛い症状が取れた事を理由に治療継続を拒む患者様も少ないですが中にはいらっしゃいます。治療継続の意義を都度説明しても理解が得られない方もいます。正直、心が折れそうになる事もありますが、ココで私が諦めたら『その患者様の未来が病気中心の生活になってしまうかもしれない』『喘息を理由に何かを諦める事になるかもしれない』と思い、しつこく、何度も、何度も説明をする事にしています。嫌われようがその患者様の中に自覚が芽生えるまで。その患者様の未来を良い方向へ変えるために。Life Time Treatmentとはそういう事なんだろうと思っています。

当院はLife Time Treatmentの考え方のもと、『医療は決してその場限りのものであってはいけない』『患者さんの人生そのものと向き合う治療を提供する』『病気による人生の諦めたをゼロにする』この信念に基づいて診療をおこなっています。

それでは、来年もまた宜しくお願い致します。