- 2024年8月3日
肺や心臓の病気をお持ちの方の飛行機旅行は注意が必要。どの機体に乗るかを考えてみるのも大事。
お盆に家族旅行などを久しぶりに計画している方も多いかと思います。飛行機に乗って久しぶりに遠出も!って考えたりしてませんか?飛行機に乗ると苦しくなってしまう人、危険な人というのが肺の病気を持つ人の中にいるのですがご存じでしょうか??
それは何らかの病気が原因で呼吸不全や心不全の状態の人、あるいはなりかかっている人です。何らかの病気というのは、多くはタバコが原因で起きるCOPD:慢性閉塞性肺疾患(肺気腫・慢性気管支炎)、重症喘息、重症間質性肺炎、心筋梗塞後や狭心症、心筋疾患などです。ではなぜ、肺や心臓に病気がある人は飛行機が危ないのでしょうか。
飛行機は高度9000~12000メートルの成層圏を音速に近い時速900キロ程度で飛行します。上空は当然ですが、気圧が低い為、機内は機械制御で与圧されていますが、客室内の気圧は地上より低く、標高2500メートルの山(富士山の5合目付近と同じ標高)に登っているのと等しい状態と言われています。
SpO2(酸素飽和度)が90%の人は、標高2500mではSpO2が84%に下降してしまいます。SpO2が96%以上なら概ね問題ないと言われていますが、SpO2が92~95%では機内での低酸素に耐えられるかどうかの検査が必要です。気圧を下げる検査は当然できませんので、運動負荷検査、呼吸機能検査、心臓超音波検査などで代用することになります。SpO2が92%未満だと検査をするまでもなく、機内で2~3L/分で使用する必要があります。肺や心臓に不安がある方で、少しでもリスクを減らしたい方はどうしたらいいのでしょうか?
飛行機を予約するときに機体の種類を見ていますか?私のおすすめはエアバスA350とボーイング787などの最新鋭の飛行機です。エアバスA350とボーイング787は機体の50%以上がカーボン素材で出来ており、その丈夫さから機内の与圧を強くかける事ができるのです。機内は標高1800メートルの山と同じくらいの気圧とされています。また、カーボンは金属と違いサビにくいため加湿も行うことができ、より快適に飛行機旅行が可能とされています。呼吸不全・心不全がある方は、例え酸素を使用していたとしてもエアバスA350とボーイング787以降の機体を選択することがいいのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。
不安がある方はかかりつけ医師に相談してくださいね。ちなみに、耳が痛くなりやすい人もエアバスA350とボーイング787などの最新鋭の飛行機の方が症状が軽くなるという報告もあるみたいです。