コロナにイベルメクチンは効くのか? 酸素ステーション設置の功罪!

8月15日LINE配信です。 明日から通常診療を再開いたします。 休診・代診はりません。

イベルメクチンを国民全員に配布するようにとの意見をテレビで大々的におしゃった先生がおられます。スガノメクチン政策とキャッチーなフレーズが受け、様々なメディアに取り上げられました。 イベルメクチンは疥癬(寄生虫)治療薬として承認された薬剤です。疥癬は度々、高齢者施設等で集団発生しその封じ込めを行う為のキードラックとなっています。その上でまず、端的にお伝えしたいことはイベルメクチンという薬が、コロナに効果があるというデータは現在のところ残念ながらありません。むしろ、唯一イベルメクチンの有効性を謳ったエジプトの論文はデータ改竄によって撤回されています。従って、イベルメクチンに現在のところ過度な期待は持てません。

また、妊娠中の方は催奇形の副作用が指摘されており、現状では避けた方がいいでしょう。イベルメクチンは予防薬にも治療薬にも現状は使用すべきではない薬剤と、CDCや本邦の治療ガイドラインにはなっています。

少し話は変わりますが、酸素ステーションの設置を政府が決めたようです。その影響でどういう事が地域医療で起きているかというと、コロナ以外の患者さんへの在宅酸素濃縮機が枯渇しました。病気はコロナだけではないのですが、コロナ以外の病気のことは一切考慮されていません。また、コロナ病床の拡充は確かに大事ですが、拡充すればするほど他の病気の人の治療が遅れ不利益が生じていることを忘れてはいけません。コロナは本人の意思とは無関係に感染してしまうこともありますが、ほとんどはワクチン接種や人流抑制や会食などの接触機会を減らせば感染する可能性を極端に下げる事が可能です。しかしその他の病気、例えば癌、心筋梗塞、脳梗塞、交通事故など自身が気をつけていても発生・発症してしまう病気はコロナのようには行きません。また、政府は待機できる手術は待機するように指示を出しましたが、待機できる手術ってなんでしょうか。

例え、医学的に緊急性がないとしても待機させられる人にとっては自分の病気が全てであり、その手術を乗り越え日常生活に復帰する日が遠くなってしまうのです。その人のその後の人生設計・経済状況などにも影響が出てきます。 どうか、皆さんワクチンを接種してください。ワクチンはコロナに対して現在考えられる唯一の対抗策です。ワクチン接種を行っていれば、死亡・重症化リスクは極端に下がります。これ以上の医療崩壊を起こさないためにもワクチン接種をお願いします。当院では週平均約240件のワクチン接種を行っております。今週末のワクチン接種枠にもまだ余裕があります。三浦市からの通知で接種可能とされている方で希望される方は是非予約してください。

8/13の入院患者数 重症:178名 中等症: 1012名 軽症:90名 

8/6の入院患者数 重症:122名 中等症:870名 軽症:68名 

]人工呼吸器患者が全国的に急激に増加したことで、人工呼吸器治療や手術の時に必要な麻酔薬が枯渇してきています。本当にこれ以上状況が悪化すると医療崩壊が避けられません。今がギリギリです。