- 2024年12月14日
2週間以上続く咳は何らかの呼吸器疾患(喘息・COPD・肺炎)などの病気のサインであることがほとんどです。こじらせる前にどうぞ来院ください。
最近、長引く咳の患者さんが本当に多いです。コロナが5類に移行してから、病院に早めに受診するという意識が希薄になっていると思われます。CTをとってみるとレントゲンではハッキリしない肺炎が見つかったり、喘息の検査をしてみると陽性だったりする可能性が高くなるのが、咳が2週間以上続く場合です。ちなみに、熱がなくても肺炎だったりすることは珍しいことではありません。今流行しているマイコプラズマ肺炎の場合、半分程度の方に熱がありません。熱がないから大丈夫ではダメなのです。
ちなみに、マイコプラズマ治療の第一選択薬は、マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン・アジスロマイシンなど)ですが、近年耐性化が進んでおり効果が得られない人が続出しています。マクロライド系抗生剤を投与して3日間程度で効果判定を行い(自覚症状が改善しているか)、効果が顕著にでない場合は速やかにキノロン(レボフロキサシン・トスフロキサシン・ラスフロキサシンなど)へのスィッチが必要です。
CTを撮ると適切な治療薬が入っていない場合に、マイコプラズマ肺炎から器質化肺炎と言う厄介な肺炎に進展している患者さんが多いです。他院でマイコプラズマと診断され加療されたが、咳症状が改善しない場合は、薬剤耐性マイコプラズマの可能性や器質化肺炎の可能性を考慮した治療戦略を立てる必要があります。