認知症で食事量が減っている人への非薬物的アプローチ

面白い論文が日本大学からClinical Interventions in Agingの9月1日号に掲載されたので共有したいと思います。

認知症があると食事摂取量が減ってしまうことがよくあります(勿論、過食になる人もいます)。認知症の患者さんの食事量減少は、身体的機能を大きく損なうと言われており、転倒からの寝たきりになるリスクが上昇することが分かっています。認知症の方の食事量をどのように確保していくかは大事なポイントなのです。

今回、日本大学が報告したこの論文は、特別養護老人ホームに居住する認知症のある高齢者21人に食事の際に色々なイラストを添えて提供して食事摂取量がどのように変化したかを解析しています。

では、何のイラストが一番効果的であったと思いますか?

なんと、、、食事のトレイに『太ったシェフのイラスト』を添えるだけで食事摂取量が有意に上昇したとのことでした。ちなみに『痩せているシェフ』では、その効果が乏しいのが面白いところです。また、食べ物の味についても感じ方が変わったようで、より美味しく感じるようになったとの研究結果が論文に報告されています。

著者らは、「太ったシェフのイラストという、食欲に関連するステレオタイプの視覚情報が、摂食行動を刺激することが示唆された」と結論付けています。

このようなケースで困っているご家族はぜひ試してみて下さいね。試したらどうだったか、教えて頂けると嬉しいです!

イメージはこんな感じでしょうか。もっといい素材があったらそれも教えて下さいね!

Funny chef, cute character. Vector cartoon illustration. serving the dish. Fat man in hat