コロナワクチンが接種可能になるまでの間に出来る準備はあるか?キーワードは訓練免疫!?

BCGがコロナに聞くかも?という話を聞いた事がありませんか?それはあながち嘘でもないのです。「訓練免疫:Trained Immunity」と呼ばれる免疫訓練機構により、自然免疫細胞が病原体と的確に戦えるように訓練されている事が近年明らかになりつつあります。ネズミを使った基礎研究で、「感染防止ではなく、感染による重症化の抑制に寄与」している可能性が指摘されています。この自然免疫の訓練を誘導する可能性があるのがBCGです。開発中のコロナワクチンによって得られるであろう獲得免疫のように直接的攻撃はできないので強い効果はありませんが、BCG接種をしない欧米に比較し、幼少期に行うBCG接種が本邦やアジア諸国における新型コロナウイルスに対する重症化率低下の一因の可能性が指摘されています。幼少期のBCG接種により「感染予防は出来ないが、重症化を抑制している」のかもしれません。しかしBCGは出生数に応じて生産されており大人の接種は出来ません。

でも最近こんな論文が話題になりました。米国で過去1−5年の間にポリオ、ヒブ、肺炎球菌(PCV13:薬剤名:プレベナー)、水痘ワクチン、A型およびB型肝炎ワクチン、米国高齢者用インフルエンザワクチンを受けた患者はコロナへの感染率の低下が認められたとの論文が現在査読前論文掲載誌medRxivに公開されています。日本では特にプレベナーが注目されていますね。プレベナーでもBCGと同様の効果いわゆる訓練免疫の効果が得られるのではないかと考えられているようです。あくまでプレベナーは肺炎球菌の予防目的に使用する薬剤ですが、コロナ感染を間接的に予防および重症化抑制に寄与している可能性があります。当院ではプレベナーも在庫があれば予約なしで当日接種するこが可能です。希望される患者様は受付までお声かけください。

また、日本製のインフルエンザワクチンでコロナに対する訓練免疫効果が得られるかどうかは不明ですが、今冬はコロナ・インフルの同時流行の可能性もありインフルエンザワクチンの接種は必須と考えられます。WHOでも接種を呼びかけており在庫が薄くなる可能性が考えられます。当院でも10月より接種が開始されます。早めの接種をご検討ください。