12歳から15歳までのコロナワクチンの安全性と有効性の最新データ

今週は代診・休診はありません。

当院の夏季休暇のお知らせです。
8月8日から8月15日の間お休みを頂きます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。

ファイザーに続き、モデルナのワクチンも対象年齢が12歳まで引き下げられました。
今週は、NEJ(有力医学誌)に7月15日に発表となった12歳から15歳までのコロナワクチンの有効性・安全性についての論文をご紹介します。アジア人を含む12歳から15歳までの2260名とその比較対象として16歳から25歳までの869名がエントリーされました。それぞれ半数がファイザー社製のワクチン2回接種を受け、残りの半分は偽薬が投与されました。その結果、偽薬投与群では16名が新型コロナウイルスに感染しましたが、ワクチン接種群では発症者は認められず、観察されたワクチンの有効率は 100%という結果でした。また、2回接種により獲得された中和抗体量は、12歳から15歳の群が16歳から25歳の郡に比べて約1.8倍高いとの結果も見られ若年者のワクチン接種は極めて有効なことが分かります。

ワクチンの効果が成人と比較しても強く得られるにも関わらず副反応は2群ともに同様の傾向で、局所の疼痛、全身倦怠感、頭痛などが見られましたが、いずれも一過性で数日以内に軽快しています。
発熱(口腔体温、38°C以上)は、1回目投与後に12〜15歳の群で10%および16〜25歳の群で7%、2回投与後に12〜15歳の群で20%および16〜25歳の群で17%で認められました。 1回目のワクチン投与の1日後に12〜15歳の参加者の1人で40°Cを超える発熱が認められましたが、翌日に解熱しています。なお、この参加者の2回目投与は見送られました。

なお、本邦では20歳代のワクチン接種で37.5度以上の発熱は、2回目接種後に約50%と報告されています。

親としては発熱の副反応が一番気になるところと思います。しかし、そのほとんどが解熱剤投与で下がること、数日以内に落ち着くことから、やはりワクチンによって得られる効果やコロナ感染後の後遺症の事を鑑みると事前に副反応対策を整えた上で接種することが望まれます。

副反応対策を考えうる限りで列挙します。
1:解熱鎮痛剤を必ず準備する。成人者は解熱剤は飲み慣れているものでOKでしたが、15歳未満は体重に合わせてカロナール(アセトアミノフェン)で準備する。ドラックストアで売り切れている場合が多いようですが、調剤薬局でも零売(レイバイ)という方法で、処方箋なしで手に入りますので是非かかりつけの調剤薬局で相談して見てください。大手チェーンではない所が零売を行っている事が多いように思います。アレルギーや持病等で薬の選択が難しい場合は当院やかかりつけ医にご相談ください。
2:必ず休日の前に接種を行う。できれば2連休前が望ましいです。
3:重要な予定の1週間以内には接種は出来る限り避けましょう。(部活の大会・定期試験・入試など)
4:親の予定もきっちりと都合をつけておきましょう。
5:可能性は極めて僅かですが、緊急時に備えいつでも車を出せるように、病院に付き添えるように親のお酒は禁止。
6:体温計が壊れていないかCheckしておきましょう。

7/22の入院患者数
重症 49 中等症500 軽症75
7/16の入院患者数
重症31 中等症433 軽症71