• 2022年12月18日

12歳未満のコロナワクチンの3回目は必要か?例えコロナに感染しても微熱程度の症状で済ませるためにすべきこと。

早いもので、今年ももうすぐ終わりそうです。本格的な冬が到来し、寒い日が続いています。体調はいかがでしょうか。コロナは今年で3年目になりましたが相変わらず、市中感染に歯止めが掛からない状況です。その多くは50歳以下の感染です。

3回目のワクチン接種率が低い5−11歳の子を持つ保護者の方ににお伝えしたいことをまとめました。

12月6日から12月13日までの神奈川県のコロナ感染者の年代別報告数と12月12日までの3回目までのワクチン接種割合を併記しています。

10歳未満 7046名 6.2%(5歳~11歳)

10代   7750名 44.0%(12歳~19歳)

20代   8339名 54.7%

30代   8609名 57.8%

40代   9498名 65.3%

50代   7560名 79.3%

60代   3720名  86.3%(60~64歳) 85.7%(65~69歳) 

70代   2659名 91.4%

80代   1743名 93.5%

となっております。東京等の大都市圏の数字も年代別の割合はほぼ似たりよったりになっております。

この数字を見ると3回目のワクチン接種率と感染者数はあまり関係ないように見えますが、10歳未満の方のコロナ感染者数は本当はもっと多いのではないのかな?と思ってしまします。恐らく10歳未満は本当の意味での軽症で済む方もいる事から検査自体を積極的に行っていない方も多いのではないでしょうか。この10歳未満の7046名という数字は、症状があまりにも強く検査せざるを得なかったケース、家族に陽性者がでて検査したケースが主に入っていると個人的には感じます。当院は動線分離ができない為、発熱患者の受け入れが出来ない代わりに後遺症外来を積極的に行なっておりますが、患者さんからお聞きすると、ワクチン未接種の方で症状が出てしまった方は、40度近い熱が数日間続いた、昼夜問わず咳が出てしまい横になって眠ることが出来ないという方が比較的多いように思います。ちなみに40度近い発熱があっても、咳で夜全く眠ることが出来なくても、現在の分類的には軽症に該当します。ワクチンを接種していて微熱が一日だけ出て、その後は平熱で問題なかった人も軽症です。(本当に同じ扱いで良いのでしょうか?)そして後遺症(咳・倦怠感・嘔気・無気力)も、ワクチン接種者より明らかに重く難治性です。

JAMA(米国医学誌)に掲載された報告によれば、5から11歳では投与量が12歳以上の3分の1と少ないことからも、2回接種のみでは約3ヵ月間でワクチンの感染予防効果が薄くなることが問題視されていましたが、3回目接種を行うと感染予防効果がさらに3ヶ月以上に渡って維持されることが示唆されました。この論文を読んでも正直ピンと来づらいですよね。これだけ流行が繰り返されている中で感染予防効果があと3ヶ月続く!と言われても魅力が全く無い訳です。しかし他の論文と合わせて考えると感染予防効果は長期間期待できないが、重症予防効果は長期的に維持されるようです。大事なのは後者になるわけです。

現在の社会情勢に落とし込み現在のワクチンのポジションを改めて考えると、ワクチンをしっかりと接種して、コロナに罹っても微熱で済むための免疫をつけることが大事なのではないでしょうか。

Withコロナのい状況下であっても、マスクをしないで過ごすことが出来るようになるためには、本当の意味での軽症化をウィルスの変異に任せるのではなく、少なくとも3回目までのワクチン接種を行い免疫をつけることでの軽症化を狙っていくことが大切だと考えます。もう一度言いますが、軽症とされる人の中には40度の発熱が数日間続く人も、倦怠感や咽頭痛で水すら飲めない状況が数日続く人も、微熱が1日だけであと元気の人も混在しているのです。どちらになるかは、確率の問題ですが、後者になる確率を上げるにはどうすればいいかは明白な訳です。ちなみに、12歳未満の1−2回目の接種希望者も最近多くなってきていますし、3回目の接種枠は希望者でほぼ毎回満員となっています。12歳以上のオミクロン対応ワクチンも1月頭まで全て満員となっています。



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