- 2022年10月8日
- 2022年11月22日
『コロナ後遺症が呼吸症状から神経症状中心にシフトしてきている』
おはようございます。 今週も代診・休診はありません。 今週は『コロナ後遺症が呼吸症状から神経症状中心にシフトしてきている』についてお話しします。 本題に入る前にお知らせです。
①インフルワクチンの接種が始まっています。 1週間で200名以上の接種を行なっております。在庫にはまだまだ余裕がございますが、接種を希望される方はお早めのご検討(少なくとも11月初旬頃まで)をお願いいたします。(今シーズンは予約制をとっておりません。先着順です。在庫が薄くなってきた場合はLINEにてお知らせ致します。)
インフルエンザが流行するかどうかなんて正直誰にも分かりませんが、流行の兆しが見えた時にはすでにワクチンは無い気がします。『備えあれば憂いなし』です。
②休診案内 10月11日(火)午前 皮膚科休診 10月20日(木)午前午後共に休診
③オミクロン対応ワクチン 接種が始まっております。接種可能な方は、対象者がまだ少ないうちに接種を済ませることをお勧めします。予約が取りやすいです。
さて本題です。『コロナ後遺症が呼吸症状から神経症状中心にシフトしてきている』と最近言われています。 岐阜大学医学部脳神経内科の下畑教授の言葉や、Nature(有力医学誌)の報告を引用しつつ解説いたします。
新型コロナが認知症の危険因子となっていることはご存知でしょうか。 英オックスフォード大学は感染後の患者さんに頭部MRIを撮像/解析し
・新型コロナに感染したことのある患者の脳全体の大きさは、0.2~2%ほど萎縮していた
・嗅覚をつかさどる領域や、記憶に関する領域の灰白質(脳の一部)が減少していた
と報告しました。 特に高齢者では明らかで最近の研究では入院を要する重症例や、嗅覚障害が長期持続する症例では危険性が高まることが分かっているとされています。 オミクロン株の出現以降も神経合併症のリスクはあまり変わっていないことや、小児でもブレーンフォグ(脳内の霧)のリスクは通常の呼吸器感染症と比較して高いことが報告されています。
呼吸器の後遺症は正直、適切な検査・加療を行えばかなり改善が見込めますが、脳神経内科の領域は改善するかどうかは運次第(個人差的)なところがあります。
呼吸器後遺症は、ほとんど治るので患者さんは一定数で頭打ちになり、感染状況が落ち着けば減少していきますが、脳神経内科の領域は治るかどうか不明のため、発症頻度は少ないもののどんどんと患者さんが時間と共に増えていく事になります。
ブレインフォグを日本の中でも相当数診察されておられる、岐阜大学下畑教授は、感染者数は減少しているものの、後遺症のリスクは決して侮れない。新型コロナは感染症法で2番目に危険度の高い「2類相当」に位置付けられているが、「5類」への引き下げを求める声も上がる。「『コロナはインフルエンザと変わらない』と言う人がいるが、完全な間違い。感染は極力避けるべき疾患だ」と述べ、気を緩めることなく感染対策に努める必要があるとしています。
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