頭痛患者さんが増えています。注意しなければならない雷鳴頭痛とは?

季節の変わり目や寒暖差が激しい時期には頭痛の患者さんが増えてまいります。頭痛の中でも特に注意しなければならない雷鳴頭痛について説明しますね。

頭痛は一次性頭痛と二次性頭痛に分けることができます。一次性頭痛は片頭痛や緊張性頭痛が当てまはります。一方で二次性頭痛にはくも膜下出血や脳動脈瘤解離、髄膜炎などが入ります。やはり、頭痛の中で最も注意しなければならない命の危険性があるのは二次性頭痛のくも膜下出血です。略語ではSAH(subarachnoid hemorrhage)と表記し『ザー』と読みます。

SAHの症状の特徴は、今回の題名にもあるとおり雷鳴頭痛です!雷鳴頭痛とは、何時何分に発症したかが明確に分かるのが特徴で、痛みの強さは、後ろから金属バットで頭を殴られるような痛みと表現されます。雷鳴頭痛は発症から1分以内に痛みのピークを迎え、それが5分以上続きます。つまりバットで殴られるような痛みから始まり、5分以上金属バットで頭を殴られ続けるのです。そう、まさに地獄です。(金属バットの表現はよく教科書に書いてある表現です。)

SAHの原因として高血圧・喫煙が有名なところです。

1高血圧

高血圧の人は、SAHによる死亡リスクが約3倍(男性2.97倍、女性2.70倍)も高くなるという報告があります。血圧のコントロールが悪い人や、塩分を取りすぎているような人は注意が必要です。健康診断で高血圧を指摘された人はぜひ前向きに高血圧治療や食事療法に取り組んで頂きたいと思います。

2喫煙

SAHの最大の発症リスクとされているのが、喫煙です。喫煙者のリスクは非喫煙者の2.2倍~3.6倍にもなります。1日の喫煙量が10本未満であっても、20本以上吸っている人とリスクはないとされており、喫煙そのものがリスクを高めていると考えられています。喫煙で高血圧を発症することもわかっておりその両方からの影響でリスクを最大化しているのです。

診断はCTを撮像することが有用とされていますが、出血点が小さかったりするとMRIを撮像しないとわからないことがあります。また我慢強い日本人は、SAHの3割がなんと一般外来に駆け込むとされており当院でも開業以来、数人の患者様がCTを撮像してSAHと診断し総合病院へ救急搬送しております。雷鳴頭痛はとにかく注意が必要という事はしっかりとおさえておいてくださいね!我慢せずに救急要請を躊躇なくお願い致します!