日本の研究データ。小児オミクロン感染患者の症状はデルタ株と比較して『発熱・けいれん』が多く、ワクチン未接種患者のみ重症化した!ワクチン接種者で重症化した症例は0人だった。

国立成育医療研究センターがJournal of Infection and Chemotherapyに報告した論文をご紹介いたします。

大事な事はこの研究報告は日本人が対象になった研究であるという点です!

本研究は2021年8月~2021年12月までをデルタ株流行期、2022年1月~3月までをオミクロン株流行期とし、それぞれの期間に登録された18歳未満の小児新型コロナウイルス感染症入院例847人(デルタ株流行期:458人、オミクロン株流行期:389人)を対象に実施しました。

オミクロン株流行期は、デルタ株流行期に比べて2~12歳の患者で『発熱やけいれん』が、また、13歳以上の患者で『咽頭痛』が有意に多かったと報告されました。6歳以上の患者の嗅覚・味覚障害はオミクロン株流行期には少ない事がわかりました。

新型コロナウイルスワクチンの接種歴が判明していた790名を解析すると、重症(酸素投与・集中治療室入院・人工呼吸管理などのいずれかを要したケース)と考えられる患者は43名で、いずれも新型コロナウイルスワクチン2回接種を受けていませんでした。

余談ですが、小児におけるワクチンの重症予防効果は有名医学誌であるNEJ(BNT162b2 Protection against the Omicron Variant in Children and Adolescents)にも報告されています。ファイザー製ワクチンは、オミクロン株においても5~11歳の入院リスクを約2/3に減少させるとし、ワクチンの有効性が示されています。

まとめると、小児のオミクロン感染者の特徴的な症状は咽頭痛・発熱・痙攣となります。ワクチンは重症予防効果をしっかりと示しており、少なくとも2回の接種が望まれます。接種できる機会がかなり減ってきています。今一度しっかりと考えて接種を前向きに検討ください。自分のお子さんが絶対に重症化しないという保証はないのですから。

表を抜粋します。