コロナ感染後の咳の患者さんが再急増しています。

コロナ感染後の咳は最も辛い後遺症の中の一つだと思います。多くの人は、熱や咽頭痛から発症し、それらが治まってきたところで咳が強くなって、2週間〜1ヶ月たっても咳が治らないというパターンです。以前に当院に埼玉からいらっしゃった患者さんはなんと6ヶ月でした。CTを撮像してみると遷延性の肺炎を伴っていることも多く、その場合は免疫抑制剤などの適切な治療をしないと治りません。ちなみにその肺炎はコロナウィルス自体が肺内に残存して暴れているのではなく、コロナ感染によって起きた免疫異常(過剰な免疫反応)が遷延することで起きていると考えられています。(ウィルスが残存しているのではないため、他者への感染リスクはありません。)肺炎に進展してしまう患者さんはワクチン未接種者か半年以内のワクチン接種歴がない患者さんがほとんどです。

ここ最近、そのような患者さんが、第7波や第8波と同等くらいに増えてきています。後遺症を残さない患者さんも確かに数多くいますが、後遺症を発症してしまった患者さんは口々にこう言います。「コロナ舐めてた。弱毒化してただの風邪って言い始めたのは誰だ??」

確率の問題だと思いますが、自分がコロナに罹って軽症で済むかどうかは罹ってみないとわからないのです。

9月末からXBB1対応1価ワクチン接種が始まります。夏のワクチンを接種していない人は必ず接種することをお勧めしています。ちなみに、最近きた若年のコロナ肺炎の人はワクチン未接種でしたが、今の症状が落ち着いたら絶対にワクチン接種しますと言ってションボリしながら帰って行きました。

このような記事を書くとアンチが反応しそうですが、接種して軽症で済むのも自由ですし、接種しないで後遺症で悩むのも自由です。もちろん接種しないで軽症の人もいますし、後遺症が全くない人もいます。それも全て、自身の自由選択の結果です。ちなみに、接種しないで39度近い熱が4−5日続いて、水も飲めないくらい喉が痛いのを気合いで乗り切ってコロナはワクチンなしでOKと言い回るのも自由です。ワクチンを強要している訳ではありません、あくまでお勧めしているだけです。