コロナ後遺症の認知機能障害についての最新データ!あと、三浦市立病院の非常勤外来を退職しました。

今週も休診・代診はありません。

さて、本日はLong COVID(コロナ後遺症)についてみなさまと最新データを共有していきたいと思います。

イタリアからもCOVID-19入院患者76名(22~74歳)の1年後の認知機能を評価した論文が報告されました。5ヶ月後(76名)と12ヶ月後(53名)に神経心理学的評価を行いました。そのうち、63.2%が5ヶ月後の時点で認知機能テストに異常を認めたと報告されています。5ヶ月後と比較して、言語記憶、注意力、情報処理速度は1年後に改善傾向を認めましたが、視空間記憶(視空間記憶とは、視空間認知の記憶。視空間認知とは目から入った情報のうち物の位置や向きを認識する能力です。この機能は視力の良し悪しとは異なるもので、地図を読んだり塗り絵をしたりするときに使われます。子どもの場合には、読み書きの困難などにつながる場合があります。)は改善しませんでした。
1年後に最も影響を受けた領域は、情報処理速度(28.3%)、長期視空間記憶(18.1%)と言語記憶(15.1%)でした。急性期に酸素化障害を受けた人(酸素投与が必要になった人)は、5ヵ月後の言語性長期記憶と視空間学習の悪化と相関していました。大人でこのような状況になった場合、仕事が困難になり退職を迫られている人もいるようです。また、子供の場合は当然学習障害が出てくることが予想されますので重症化しなくても注意が必要です。
2回のワクチン接種でlong COVIDのリスクは41%低下するとのイギリスからの別の報告もあります。

子供への接種も始まっていますが、親としてどのように判断するかを今一度お考えください。

私ごとで恐縮ですが約7年間勤めた、三浦市立病院の非常勤呼吸器外来をこの度退職致しました。私の外来を引き継ぐ形で、次も呼吸器専門医が勤務して頂けることになりましたのでご安心ください。ご挨拶が出来なかった患者様に深くお詫び申し上げます。
写真は市立病院内科外来の看護師さん達に頂きましたお花と家族からのケーキです。

4/1の入院患者数 重症32 中等症652 軽症・無症状140
3/25の入院患者数 重症50 中等症768 軽症・無症状141
引き続き減少傾向です!