コロナ後遺症は無視できない。若年者にもワクチンで予防を!

7月4日のライン配信です。

今週も休診・代診はありません。
当院ではワクチン接種を週200名程度まで拡大して接種を行なっております。土曜日は訪問診療での接種も並行して行なっており昨日は通常診療を行いながら、90名の接種を行い、累計接種者数が1200名を超えました。体力的にかなりキツイですが、今が頑張り所として体力が尽きるくらいまで(その直前まで)は続けていきたいと思います。もし道端で倒れそうになっているところを見かけたら、「お疲れ!頑張って!」と軽やかに声をかけて頂けると、猫のように懐きます。

さて、若年者へのワクチン接種が今後の課題になってくる事は言うまでもありませんが、ワクチン忌避をする若者が少なくないとNEWSで取り上げられています。その理由として
①ワクチンの副作用が怖い
②感染しても軽症
が多いと報道されています。これは感染しても軽症だからワクチンのメリットよりデメリットの方が大きいとの判断になっていると考えられます。果たして本当にそうでしょうか。一つ一つの症状は軽症でも、その症状がずっと続いたら結構厄介だと思いませんか?

Nature Medicineに掲載されたノルウェーからの報告です。ノルウェーでの第1波の際にコロナに感染した312名を長期に渡って追跡しました。感染6ヵ月後、189名(61%)に持続的後遺症が認められました。年齢で分けて解析すると、16~30歳の若年層で61名中32名の52%が6ヵ月後も味覚・嗅覚異常(28%,17/61名)、倦怠感(21%,13/61名)、呼吸困難感(13%,8/61名)、集中力低下(13%,8/61名)、記憶障害(11%,7/61名)などの症状を認めました。15歳以下の小児も16名中2名(13%)が6か月時点で味覚・嗅覚異常などを認めました。

若年者において、コロナに感染し命に関わらないような軽症と判断されても、これらの後遺症が長期に渡って生じる可能性がありワクチンによって予防する事の重要性が改めて認識されました。特に記憶障害はこの時期の子供には重大な後遺症です。学業などにも影響を与える可能性があり未来を大きく変えてしまう恐れがあると考えます。

7/2の入院患者 
重症:35名 中等症:325名 軽症:43名 疑似症:259名
6/25の入院患者
重症:37名 中等症:349名 軽症:42名 疑似症:272名 

→中等症以上の患者が減少傾向ですが、東京では感染者数が増加に転じており、神奈川もどうなるか予断を許さない状況になってきています。少なくとも三浦市では増加に転じないようにこれからも頑張ります。