- 2024年11月2日
- 2024年11月3日
65歳以上が迷わず新型コロナウィルスワクチンを接種すべき理由
新型コロナワクチンを65歳以上になぜ積極的にお考え頂きたいかについて今週は書きたいと思います。このような記事を上げますが、決して当院で接種して欲しいということではなく、どの医療機関でも良いので接種しやすい医療機関での接種をして頂ければと思って書いています。当院のブログ記事は日本全体で大体、10万アクセスが毎月あり、ユーザー数は7万人程になります。日本で接種を悩んでいる人たちに届けばと思っています。ちなみに当院では呼吸器疾患(肺に病気がある方)が多いため、理解が非常に進んでおりほとんどの65歳以上の方が接種をしております。
65歳以上が迷わず新型コロナウィルスワクチンを接種すべき理由
①65歳未満の接種率がほぼ0
65歳以上は地域にもよりますが、3000円程度となっています。地域によっては無料の地域もあるようです。一方で65歳未満は公費補助が一切無く、税別15000円程度となっています。若年者の重症化リスクは65歳以上よりも低いこと鑑みると、15000円は健常人にとっては高く感じてしまうのも仕方ないと思います。接種したいけど、高いからやめとこうとなってしまっている人が非常に多いのです。このような状況の中で冬を迎えると何が起こるのか??想像に容易いと思います。今期は接種率が極めて低く、通常の社会活動を行い、マスク使用率も極めて低い。予想通りに感染爆発が起きた時に、一番痛い思いをするのは誰でしょうか?65歳未満と同じようにワクチンを接種しないと決断した重症化しやすい高齢者に他なりません。
②高齢者にはまだまだ弱毒化したとは言い難い現状
2024年夏の流行では、高齢者の入院は依然として多く、高齢者施設の集団感染も続いていました。国の死亡統計では、5類感染症移行後1年間の死亡者数は32576人で、新型コロナ出現前の60歳以上のインフルエンザ年間死亡者数10908人よりはるかに多いのです。インフルエンザワクチンは接種するけどコロナは接種しないなどとは言っていられないのです。ちなみに日本のデータではコロナワクチンは高齢者の約半数の入院を予防したと言われています。
③ワクチンの発症・重症化予防効果はずっとは続かない
新型コロナワクチンの発症予防効果は数か月で低減するため、 定期的に流行株に対応した新たなワクチンの接種が必要ということが分かっています。6回接種したからもういいや!ではないのです。インフルエンザワクチン同様、最大の流行期である冬前に接種することが大事です。
④広がるワクチンの選択肢。科学的に証明された安全性。風評被害に惑わされないで!
現在5種類のワクチンが承認されています。それぞれ大なり小なり一過性の副反応がありますが、臨床試験ではワクチンと関連した重篤な健康被害はみられず、安全性が確認されています。それぞれのワクチンのメリットとそのワクチンの副反応をしっかりと事前に理解し自分にあったワクチンをかかりつけ医と相談してください。決して一部のネットやSNSで騒がれているような科学的根拠がない情報に惑わされないでください。日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会などが発信する信頼できる情報にしっかりと触れてください。何故、近所の人の噂レベルの話や、会ったこともない、どんな人かも分からない、信頼できる科学的根拠が全くないSNSなどの投稿を真に受けてしまうのか理解に苦しみます。気象予報士の天気予報が雨、子供の靴飛ばし天気予報が晴れ、どちらを信じますか?あなたは外に洗濯物を干しますか?
最後に。高齢者をご家族にもつ方へ。
時折、息子・娘に今回のワクチンは見送れ!と言われているから勝手に接種できない。とおっしゃる方が外来にいます。しつこいですが、お願いです。SNSなどの誤情報に影響され、65歳以上の方のワクチン接種の機会を奪わないでください。むしろ背中を押してワクチン接種を促すようにお願いします。