• 2024年12月14日
  • 2025年4月27日

2週間以上続く咳は何らかの呼吸器疾患(喘息・COPD・肺炎)などの病気のサインであることがほとんどです。こじらせる前にどうぞ来院ください。

最近、長引く咳の患者さんが本当に多いです。コロナが5類に移行してから、病院に早めに受診するという意識が希薄になっていると思われます。CTをとってみるとレントゲンではハッキリしない肺炎が見つかったり、喘息の検査をしてみると陽性だったりする可能性が高くなるのが、咳が2週間以上続く場合です。ちなみに、熱がなくても肺炎だったりすることは珍しいことではありません。今流行しているマイコプラズマ肺炎の場合、半分程度の方に熱がありません。熱がないから大丈夫ではダメなのです。

ちなみに、マイコプラズマ治療の第一選択薬は、マクロライド系抗生剤(クラリスロマイシン・アジスロマイシンなど)ですが、近年耐性化が進んでおり効果が得られない人が続出しています。マクロライド系抗生剤を投与して3日間程度で効果判定を行い(自覚症状が改善しているか)、効果が顕著にでない場合は速やかにキノロン(レボフロキサシン・トスフロキサシン・ラスフロキサシンなど)へのスィッチが必要です。

CTを撮ると適切な治療薬が入っていない場合に、マイコプラズマ肺炎から器質化肺炎と言う厄介な肺炎に進展している患者さんが多いです。他院でマイコプラズマと診断され加療されたが、咳症状が改善しない場合は、薬剤耐性マイコプラズマの可能性や器質化肺炎の可能性を考慮した治療戦略を立てる必要があります。

文責:医療法人社団南州会 理事長 井上哲兵

経歴

  • 2003年浅野高校卒業
  • 2009年聖マリアンナ医科大学医学部卒業
  • 2009年4月~2011年3月同大学病院研修医
  • 2011年4月~2015年3月同大学呼吸器内科診療助手兼同大学内科(呼吸器)大学院
  • 2015年4月~2018年3月同大学呼吸器内科助教
  • 2018年4月~2019年3月独立行政法人国立病院機構静岡医療センター呼吸器内科医長
  • 2019年4月医療法人社団南州会理事長/聖マリアンナ医科大学非常勤講師
  • 2019年8月三浦メディカルクリニック院長
  • 2024年5月横浜フロントクリニック開院

資格・役職

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本呼吸器学会呼吸器専門医
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医
  • 日本医師会認定産業医
  • 厚生労働省認定臨床研修指導医
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(呼吸器)
  • 難病法における難病指定医(呼吸器)
  • 緩和ケア研修会修了医
  • アレルギー舌下免疫療法適正使用管理体制に基づく講義の受講・試験の修了医
三浦メディカルクリニック 046-888-0505 ホームページ