• 2020年1月31日

吸入ステロイドって?

吸入ステロイドは様々な形態のものが販売されています。現在の治療薬の主体は吸入ステロイドと吸入長時間作用型気管支拡張薬の合剤となります。吸入薬がなかった時代は、副作用の強い内服や点滴のステロイド(全身性ステロイド)などが使われていました。しかし、現在は薬の開発が進み、全身性ステロイドの副作用(骨粗鬆症・糖尿病・高血圧・骨壊死・胃潰瘍など)がない吸入ステロイドが登場し喘息治療が劇的な変化を遂げました。さらに、薬の効果が上がった吸入ステロイドと吸入長時間作用型気管支拡張剤の合剤が主流になり、喘息入院や喘息死が以前に比べて著しく減りました(残念ながら喘息死は0にはなっていません。推計年間1500−2000人程度の喘息死が報告されています)。今回は吸入ステロイドについて見ていきたいと思います。

ステロイド薬の副作用のリスクを減らす工夫を施された薬が、現在のぜん息治療の中心となって いる「吸入ステロイド薬」です。 吸入ステロイド薬は、吸い込むことで気道に薬を直接届けます。 気道だけに作用するため、通常の投与量では全身の副作用はほぼありません。 長期に安心して、 小児から高齢者、妊娠中の方でも使用できます。使用することで喘息による慢性的な気道炎症を抑える事ができ、発作を予防できたり、発作の強度を下げる事ができます。吸入ステロイドを途中で辞めてしまうと、発作が起きてしまった場合は勿論のこと、発作が起きなくとも慢性的な気道炎症によって気道が痛み、将来的に喘息治療に反応し難くなってしまいます。そうすると咳が止まらなくなって夜間横になれない日が多くなったり、ちょっとした運動ですぐに苦しくなったり、天気が崩れると咳が止まらなくなったりするようになります。ご自身の判断で服薬を中断することは短期的にも長期的にも危険です。高血圧治療薬を飲んで血圧が170から120まで落ち着いたからと言って内服を止めたりしませんよね。喘息治療薬も同じです。発作の症状が落ち着いたらからと言って喘息が治った訳ではありません。吸入薬を正しく使い続ける事が何よりも大切なのです。

吸入治療薬は医師の判断のもと、正しく使う事が大切です。当院では、隣接するくすだま薬局さんとともに、吸入治療薬の正しい使い方を患者様にお伝えしています。喘息かな?と思ったら是非当院にご相談ください。

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