- 2022年6月4日
- 2022年11月22日
4回目のワクチン接種の考え方と妊婦に対するワクチン接種の最新データ!
4回目のワクチン接種が今週から本格的に始まります。4回目のワクチンは、以前お話した通り、発症予防効果より重症化予防効果を期待して接種する事になります。つまり、重症化しやすい人(60歳以上の方、60歳未満であっても喘息、COPD、睡眠時無呼吸など呼吸器疾患の持病や、高血圧・糖尿病・免疫疾患・癌などの既往がある方、極度の肥満の方など)は接種する事をお勧めします。3回目の副反応が極端に強かったなどのエピソードがなければ(特段のデメリットがなかったのであれば)、対象者は接種する事をお勧めします。逆に言えば、特段のデメリットがなかったのであれば、接種すれば重症化が防げる可能性が上がることは明らかであり、接種しない理由は無いわけです。つまり、多くの人が接種すべきという事になります。
また、2回目までは接種しているものの、3回目接種を迷っている人が意外と多いと思いますが、現段階のイスラエルからの研究報告によればそれは本当に意味のない事と思います。悩むのであればせめて4回目を接種するかどうかで悩んでいただきたいと思います。2回目接種者と3回目接種者では発症予防効果・重症化予防効果が大きく異なるわけですから、最低でも3回接種、該当者はできれば4回目もという考えでお願いいたします。
今週はもう一ネタお届けしたいと思います。JAMA(米国有力医学誌)に、妊婦に対してワクチン投与した場合に新生児がどのぐらい感染から守られるかを調査した研究が報告されました。ノルウェーの約25000人の妊婦が研究対象となりました。その論文によれば、母体へのワクチン接種は、デルタ株であろうがオミクロン株であろうが、新生児感染率を4か月程度半減させると報告されました。よって妊婦に対するワクチン接種は母体と新生児の両者における感染抑制に寄与することが明らかになりました。(妊娠時のいつワクチンを接種するのがいいのかは妊娠6か月以降の2回目あるいは3回目接種が望ましいようです。)
新生児は乳幼児と違い新型コロナに比較的感染しやすいという報告もあり、新生児のためにも妊婦がワクチン接種を受ける事が望ましいと考えられます。また、妊婦特有の副反応が気になると思いますが、流産、早産、奇形率が増えることないと報告されています。