• 2022年11月5日
  • 2022年11月22日

COPDってなに?

Q andAで回答します!

・どんな病気

COPDとはChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとった病名です。

日本語名は慢性閉塞性肺疾患となります。慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。

タバコの煙を主とする有害物質を長期に渡って吸い続けることで生じる肺の炎症性疾患です。日本人の場合はほぼ喫煙が原因であり、喫煙者の中高年に発症する生活習慣病といえます。

40歳以上の人口の8.6%、約530万人のC O P D患者さんがいると考えられますが、その多くが診断に至っていません。

・症状チェック

坂道や階段などの日常生活の中で身体を動かした時に感じる息切れや、長く続く咳や痰が特徴的な症状です。ウィルスや細菌による感染症が併発すると、息切れや咳、痰の症状が強くなる事があります。

・初期症状は?

外来には3から4週間以上続く咳、痰、息切れを主訴に来院されます。咳や痰は風邪を引きやすい体質と表現し、息切れは年齢のせいにだと思っている方が多いので精査を勧めても断られてしまう事もあります。

・進行するとどうなる?

C O P Dが進行すると、呼吸不全を来たし在宅酸素療法が必要になったり、夜間在宅人工呼吸器が必要になったりします。月の医療費も高額となり経済的にも負担がかかってきます。

・原因は?

日本人の場合、喫煙が主な原因と考えられています。注意しなくてはならないのは過去の喫煙も原因になるという事です。例えば、60歳まで1日20−30本毎日喫煙していた方がいるとします。70歳になり、『息切れが気になる、心臓が悪いのではないか?』と受診し、検査の結果、C O P Dと診断されても、『今は喫煙していない!』と言って納得されない方がいます。肺は再生臓器ではありません。タバコ煙によって傷ついた肺は元に戻ることはないのです。過去の喫煙がC O P Dの原因になることを時間をかけて説明し納得いただき、これ以上の悪化を少しでも抑える為に薬を調整する必要があります。

・気を付けるべき生活習慣、予防法

1にも2にも禁煙です。禁煙以外にありません。そして副流煙も避ける必要があります。家庭内で他に喫煙者がいるようですと、副流煙の影響でC O P Dの悪化や増悪をきたす事があります。家族全員での禁煙が望まれます。ご家族にこのような話をしますと、本人の前では吸っていないとか、換気扇の下でしか吸わないと仰る方がいます。しかし、喫煙後に肺内に残存している副流煙が呼吸をする度に、口から吐き出されるため、全く意味がないとは申しませんが、他者への影響は0にはなりません。やはり、家族全員での禁煙が大事です。

・診断

長期の喫煙歴があり咳、痰、呼吸困難などがあればCOPDが疑われます。

確定診断には呼吸機能検査が必要です。胸部単純写真だけでは早期診断に役立つことはありません。精密な評価をするには胸部CT検査が必要になります。

・治療法

基本は禁煙と共に、吸入療法が主体となります。症状を診ながら内服薬を追加したりします。時々、内服の方が大事と勘違いされ吸入をやめてしまい内服のみで自己調整される方がいますが、基本は吸入療法となりますのでご注意ください。

重症化した場合は在宅酸素療法や夜間在宅人工呼吸器を導入したりします。

また、増悪・重症化を避けるために、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が望まれます。また、昨今の新型コロナウィルス流行下において新型コロナワクチンの接種も強く望まれます。実際に当院の患者さんでは、軽度のC O P Dだったにも関わらず、ワクチン未接種の状態で新型コロナウィルスに感染し肺炎を発症。なんとか一命を取り止めたものの、退院後は在宅酸素が必要になってしまった方もいます。

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