- 2022年9月25日
インフル・コロナワクチンの同時接種の Q &A
スポニチさんの取材のフルバージョンです。
(1)同時接種を行う場合に関して下記の点に関して教えてください。
①どちらを先に打つことになりますか?
どちらが先でも問題ありません。
②同時に打つ場合、5分10分の間隔を開けた方がいいのでしょうか?
間隔の規定は今の所ありません。インフルエンザを接種してすぐにコロナを接種するという形式になるものと考えられます。
③どちらも同じ腕に接種するのが好ましいのでしょうか?
決まりはありませんが、通常は変えるのが一般的です。
④副反応は単発より強くなりますか?
インフルエンザワクチンでも発熱などの副反応が過去に出たことがあり、コロナワクチンでも発熱などの副反応が出た場合は、副反応が強くなる可能性は否定はできませんが、海外の論文報告などでは同時接種と単独接種に差はないとされています。
⑤新型コロナが流行してから、実際にインフルワクチンと同時接種したことはありますか?
今年の7月に認可されたばかりなので、同時接種の経験は日本ではありません。
(2)インフルエンザとオミクロン株で症状に違いはありますか?
かなり似ている症状になりますが、オミクロン株の方が咽頭痛が強く出る印象があります。
インフルエンザでも嗅覚が一時的に落ちることがありますが、長くは続きません。長引く嗅覚異常はやはりコロナならではと考えられます。
(3)これまでに併発した患者さんの報告はありますか?
新型コロナが流行してからインフルエンザ患者が激減したため日本においてもかなりレアケースです。ただし、今冬はマスクを外して生活する人が増えたこと、人流がコロナ前に戻りつつあることから、併発患者が増加する可能性が否定できません。長崎大学の報告では同時感染はコロナ肺炎を重症化・重篤化する可能性があるとされており、やはり感染対策は引き続き注意が必要です。
(4)同時接種が向いている人、向いていない人を教えてください。
(1)−④でも記載した通り、あくまで私見になりますが、インフルエンザワクチンですら発熱などの副反応が強く出たことがある人は数日でもいいのでずらした方がいいかかもしれません。
(5)オミクロン株のワクチン接種も9月中に始まる見通しですが、同時接種に備えて現時点で気にしていることや注意していることがありますか?
同時接種で一番気をつけなくてはならないのは誤接種です。同時接種なのか、コロナワクチン単独接種なのか、インフルエンザワクチン単独接種なのかをきちんとクリニック側が受付時に整理することが大事です。各医療機関が細心の注意を払って同時接種開始に臨むと思います。接種する方に医療機関側は何回も、本当に何回も確認しますので、面倒くさがらずにお付き合い頂きたいと思います。事故防止のためご理解ください。
(6)同時接種をすることのメリット、デメリットがあれば教えてください。
同時接種をする事で、医療機関への受診の手間が減り、通院が困難な患者様にはとてもいい事だと思います。デメリットは副反応の増強のリスクだろうと思います。論文上は同時接種・単独接種に差はないとされていますが、解熱剤などの事前準備は怠らないようにしてください。