熱中症かどうかを簡単に判別する方法

暑い日が続いています。高齢者の方が、倦怠感を主訴に受診される事がよくあります。熱中症疑いとお伝えしてもピンとこない方も大勢います。そのような人は大体、冷房をつけると余計に具合が悪くなる、家は風通しがよく涼しいなどと言います。そのような方には、冷房をつけない事がどれくらい命の危険に晒されているのかを伝えなくてはなりません。

熱中症について間違った知識を持った高齢の方には以下の点を踏まえてはっきりと勘違いしていることを伝えましょう。

1:気温だけではなく、湿度も大事。(夏は湿度が高いです。30度以上かつ60%以上は風があっても危険です。ちなみに気温35度以上のハンディファンは超無意味であり、熱中症のリスクを上昇させると言われています。また、吹き付ける熱風により肌を痛めてしまう可能性がありますので、ご注意ください。)

2:涼しいと思っているのは大体本人だけ。何故か自分の家は風が通っていると言い張る。通り抜ける風は熱風で逆効果です。

3:私だけは大丈夫と思っているのは勘違い。そうのような人ほど脱水で引っくり返る。

4:冷房嫌いでつけたくないと言うけれど、熱中症で入院になったら病院内は常時冷房。

5:冷房をつけたからといって風邪をひくことはない。風邪の原因はほぼ他人からのウィルスを移されることにある。家で冷房をつけても他人が居るわけではないので風邪を引くことはない。ただ単に喉が乾燥でやられただけ。喉が例え一時的に乾燥していがらっぽくなっても命を落とすことはないけれど、脱水症・熱中症は命に関わる。

そしていざ熱中症かも?と思ったら、ここの点を見るようにしてください。

1:舌が乾燥しているか?脱水症・熱中症の方の多くは舌が明らかにカピカピになります。

2:手の爪は何もしなければピンク色をしていますが、押すと白色になります。親指の爪を摘んで押して白になった後に離すと、健常の人はすぐに戻りますが、脱水・熱中症の人は3秒以上かかります。

3:排尿回数の減少や尿色が濃いなどが見られるかどうかも大事です。デカビタドリンクを飲んだ後やビタミン剤内服後のような尿が出ている場合は脱水・熱中症が疑われます。また、トイレにすら行かなくなった場合は重度の脱水・熱中症が疑われます。

ご家族が脱水症かも?と思ったらこの点を観察してみてくださいね。疑わしければOS-1などを与えるのと、強制的に涼しい場所へ移動させましょう。また病院への受診を検討くださいね!