- 2022年11月19日
- 2022年11月22日
オミクロンの猛威再び。流行の兆し。オミクロン対応株ワクチンは接種すべきなのか?!
オミクロンが猛威を振るい始め、感染者数が信じられないスピードで増えています。
当院でもオミクロン対応型ワクチン(ファイザー製)を毎日毎日多くの患者様に接種しています。接種を希望されている患者様も本当に多く、出来うる限りの体制を整えておりますが、通常の診察の合間に行なっておりますので待ち時間が人によって長くなってしまったりする事がございます。予めご容赦ください。さてオミクロン株対応2価ワクチンは、三浦市もそうでしたが、全国の市区町村では起源株+BA1対応の2価ワクチンが先行して供給され、途中から起源株+BA5の混合2価ワクチンに変わりました。時々質問を頂きますが、BA5対応ワクチンとBA1対応ワクチンで差が出るのか?についてまずはお答えいたします。
BA1対応型であっても、BA4-5対応型であっても、従来の1価ワクチンを上回る効果と、今後の変異株にも有効である可能性が期待されています。BA1、BA4-5は、いずれもオミクロン株の系統です。抗原性(免疫反応を引き起こす性質)について、オミクロン株と従来株との間の差に比べ、BA.1とBA.4-5との間の差は小さい事が知られており、オミクロン株対応2価ワクチンは、BA1対応型であっても、BA4-5対応型であっても、オミクロン株の成分を含んでいるため、現在流行の中心であるオミクロン株に対し、従来の起源株1価ワクチンを大きく上回る効果があると考えられています。
起源株+BA4-5の2価ワクチンを投与したマウスでは、起源株、デルタ株及びオミクロン株(BA.1、BA.2、BA.2.12.1 及びBA.4/BA.5)に対して幅広い中和抗体の誘導がマウスにて確認されています。
勘の良い方は気づいたと思いますが、実は、上記の中和抗体の検査はマウスでの結果でありヒトではありません。ヒトでの起源株+BA4-5の2 価ワクチンの臨床試験データは有効性・安全性ともに得られておりませんが、既に承認されている起源株+オミクロン株BA1の2価 ワクチンと同じオミクロン株系統であるBA4-5 の配列を用いたワクチンであることや製造方法が同様である事を踏まえると、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えられ、また有効性も同様に高いと考えられたことから各国で承認が以下のように下りています。
人での臨床データはないというのが気にな方は接種を延期されれば良いかと思いますが、動物実験の結果や、従来と同様の製造方法を踏まえると基本的にはメリットがデメリットを大きく上回ると考えられます。また、コロナ罹患後であってもオミクロン株は有効な抗体の産生に寄与はあまりしないことが知られており、感染後であったとしても、接種をした方が良いだろうと考えられます。
接種回数が嵩んで来て、イヤイヤ期に入っている方も多くいらっしゃいます。無理にとは言いませんが、なるべくなら接種された方が良いかと存じます。コロナ後遺症の方が多く来院されますが、やはり接種回数がない方や2回までの方は後遺症の症状がかなり重い方が多いように感じます。そのような患者さんを診ておりますと、コロナ=風邪という考えてを当てはめるにはまだ早い気もします。
基本的に病院には行かないで薬局で売っている薬だけでどうにかしようという欧米人の国民性と、何かあったらすぐに病院に行こうと考える日本人では、コロナ=風邪という考えを適応すると当然、日本の病院だけがパンクするのです。欧米はマスクを外して自由にしているのに日本はいつそうするの?という方も多いのですが、それは日本の国民性の理解に乏しいとしか言えません。コロナの対応は全て海外の国々の通りに自由化すればいいという訳ではなく、その国の国民性を踏まえた上での対応が求められるのです。日本は日本です。他国がどうあれ日本独自の文化を基に、日本独自の対応方法でいいのではないでしょうか。政府の方々も日本を悪くしようという方は一人もいないと思います。日本の文化を踏まえ、日本としての正解を模索しているのではないでしょうか。